真剣にボタンを選んでいたマダムのお話

おはようございます! 


 今日はウルトラモッドの素敵なエピソード 

第一弾を書いてみようと思います。 



今回は、お孫さんのために 

とても真剣にボタンを選んでいたマダムのお話です。




ウルトラモッドのボタンコーナー




ウルトラモッドには老若男女、

 いろんなお客様がいらっしゃいますが、


 特に私が強く惹かれてしまうのは、

 70、80代以上の素敵なマダムの方々。  



シックな装いはもちろんのこと、

日本では見かけないような、


ピンクや赤などの鮮やかな色も

エレガントに着こなして楽しんでいる人も多く、


 思わずWow!と感動してしまう私。
 


今回のマダムは、 

おそらく80代前半くらいで、 


肩より少し短い美しい白髪の頭に 

黒いベロアのカチューシャをして、


上はネイビーのニット/セーターに 

ボトムスもネイビーのパンツを合わせており、

足もとは、

大切にお手入れされた雰囲気の 

黒に近いネイビーのローファー。
 


ブレスレット、イアリングは 

これまた上品なゴールドでまとめていて、 


長い間大切に使ってきた感じの 

ルイヴィトン モノグラムのショルダーバッグを 

肩からかけていました。 


 そしてそして、 

指先を見るとなんと真っ赤なマニキュア。


白い髪に黒のカチューシャが映え、 

ネイビーとゴールドの組み合わせも素敵。 


差し色は赤いマニキュア。 

モノグラムのショルダーバッグも

少しカジュアルにハズした感じで素敵☆


私は一目見て、シックなマダムにキュンキュン(笑)。



 彼女はまずカウンターに近づき、 

バッグからネイビーの毛糸で編んだ 

小さなカーディガン(2歳くらい?)を取り出しました。 


「これに合うボタンを探しているの。 

ユニセックスでね。 

色はやっぱりブルーマリン(ネイビー)かしらね」 

 と言いました。
 




たくさん箱に入れて並んでいるボタンの数々



ベテランの女性スタッフが 

ボタンコーナーに案内し、

対応しているそばを私も様子をうかがいながら

一緒に探す感じでお手伝い。 



最初は小さいなお子さまに合いそうな 

ネイビーの丸い形に

白の小さなドットが入ったボタンを提案。 



こちらのボタン




彼女は、

「可愛いけれど、もっとシックなのがいいわね」と
言い、 

今度はネイビーのこちらのボタンを提案。 






「うーん、悪くないわね。シックではあるけれど、、、。」 



 そして今度は、 


ゴールドのボタンはどうかしら?」と 

目線をゴールドの方に変えたので、 


スタッフがいくつかのボタンを提案。 


3、4個、試したのち、 

とうとう、こちらのボタンに決定!




 

はい、

確かに品もあるし、 ゴールドが差し色になって

シックかつ少し華やか。 



 通常、

まだ2歳になるかならないかくらいの 

お子さまは


可愛い感じのお洋服を着ていることが多いけれど、 


シックなコーディネートを考えるなんて 

さすが、パリジエンヌ。



 私は接客をしながら

密かに一人感動していました。 


 彼女がさらにバッグから取り出したのは、 

なんと同じくネイビーの毛糸で編まれた、 

小さなズボン。 


さらに、 

小さなニット帽に 

小さな手袋、 

そして、靴下。 


 なんてなんて小さな、 

トータルコーディネート! 


 カーディガンのボタンが決まったお次は

靴下につける

サテンリボン探しへと移っていきました。 (笑)




 シックなおばあちゃんが 

可愛いお孫さんのために 

大切に編んだ、 


これまたシックなニットのセット。


 個性的かつ、 

愛情のこもった手作り作品を見ることができるのも、

 

私にとって、 

この職場で働く、とても魅力的な点です。 



 今回のマダムのように、 

パリの街を歩いていると

 

自分のスタイルを持ち

おしゃれを楽しんでいる人たちを

多く見かけます。 



流行で服を選んでいるような人は 

あまりいないかもしれません。 



 ウルトラモッドで働いていると、 


そんなパリジャン、

パリジエンヌの 


おしゃれの楽しみ方を 

間見れる瞬間がたくさんあって 


本当にお勉強になります。 



 今回は、

そんなシックなおばあちゃまマダムの 

お話でした。 



 今度はどんなエピソードにしようかな☆ 


 刺繍ネタも

徐々にご紹介できたらと思ってます。



 では、

今日もみなさまにとって 

素敵な1日になりますように☆


Bon Journée!





Kaori KONISHIKAWA

パリを拠点に刺繍家として活動。KAORI embroideryという名前にて、手刺繍のアイテムを自身のオンラインショップ、パリ、日本のセレクトショップにて販売中。パリ2区にある老舗手芸店『ULTRAMOD』にも勤務。活動の様子は主にインスタグラムにて発信。自由なスタイルの刺繍が好き。